侵Q59

今後、商標について問題が生じないようにパッケージの変更をしようと思いますが、どのように変更すべきですか。また、登録商標の一部について権利性があるかどうかの確認方法を教えてほしい。

質問

当社は、今回、苺の一種「いちごやま」(注:架空の名称です。葡萄の種類としての「巨峰」のように、いちごの種類を示す語と考えて下さい。)を使用したジュースを開発し、「Happy Sunday いちごやま」という表示で販売したところ、「いちごやま」を含むロゴマークについて権利を所有している者から警告を受け、商標権侵害であると言われました。
 今後、商標上の問題が起こらないようにパッケージの変更をしようと思います。
 どのように変更したらよいでしょうか。
 あわせて、そもそも相手方の登録商標中「いちごやま」の部分には自他商品識別力がなく、独占権を主張することができないのではないかと疑問に思いますので、その点についても検討したいと思っています。相手方の登録商標中「いちごやま」の部分について自他商品識別力の有無を確認する方法を教えて下さい。

回答
  • 1.パッケージの変更ですが、現在のデザイン中「いちごやま」の文字が問題であるならば、その文字「いちごやま」を除いて単に「いちご」「いちご味」「いちご果汁入り」のように品質表示として認識できる語に置き換えればよいと思います。
     あるいは、「いちごやま入り」のように表示する方法もあります。例えば「タカラ本みりん入り」の表示は商標としての使用ではないとされた判決があります(註1)。一方、「シャネルNo.5タイプ」と香水に表示したケースにおいては「シャネル」の商標権を侵害すると判断されていますので注意が必要です(註2)。
     警告を受けてパッケージの変更をする場合には、再度変更後のパッケージデザインについて権利者の承認を受けておくべきです。
     また、新たなパッケージや販促物を作成する際には、他人の権利に抵触することがないか、よくよく注意をして検討することが必要です。問題が起きてから対応するのは大変ですから、事前に専門家に相談する等の配慮をしましょう。
  • 2.相手方の登録商標中「いちごやま」の部分に独占権を主張できるような権利性があるかどうかは、その部分に自他商品識別力が認められるかどうかによります。これを確かめるためには、過去に「いちごやま」が出願され、自他商品識別力の欠如を理由として拒絶された例があるかどうかを調べることが必要です。
     特許電子図書館で確認できる商標は、現在有効なものに限られ、失効データは除外されています。出願拒絶例は、有料の民間データベースで確認することができます。また、審決例も民間のデータベースで確認できます。
     また、「いちごやま」を含む商標が、複数の者によって類似する商品に併存登録されている場合や、「いちごやま」を含む登録商標の指定商品が「いちごやまを使用した清涼飲料」のように限定されている場合、「いちごやま」の語自体はその商品の原材料名にすぎず、品質表示としてみなされていることが推測できます。
     このような判断は個別の事情によって異なり、高度に専門的なものですので、専門家の意見を聞くことをお勧めします。
参考情報
  • (註1)平成10年(ワ)第10438号「タカラ本みりん入り」事件
  • (註2)平成3年(ワ)第7534号「シャネルNo.5タイプ」事件
関連QA
  • 侵Q19 果物の名称として認識されている語をジュースに使用したところ、商標権者から警告を受けました。どのように対応したらよいでしょうか。

本QAは特許庁委託事業「外国産業財産権侵害対策等支援事業」において作成されたものです。
事業内容等は本事業サイト(http://www.jpo.go.jp/index/kokusai_doukou/iprsupport/index.html)をご確認下さい。