侵Q36

当社は近々海外での商品販売を開始する予定です。ついては、外国で商標の調査をしたいと考えているのですが、どのようにしたらよいでしょうか。

質問

当社は時計に「Honesty」という商標を付して販売しています。近々海外にこの時計を輸出することを予定しており、外国で商標「Honesty」が使用できるかどうか調査したいと考えています。

外国で、日本の商標が盗用されているといううわさも聞くので心配です。

外国での調査はどのように行えばよいのでしょうか。

回答

1.海外での商標調査

海外での調査にあたっては、一般的には外国の弁理士・弁護士に依頼することが必要となります。直接依頼することもできますが、初めてでしたら日本の弁理士・弁護士を介して依頼するのがよいでしょう。あるいは、海外での調査を手配する業者もあります。

外国での調査は、国によって費用、期間が異なります。日本の企業がよく調査をする国についての情報を以下にお知らせします。
(費用は1商標1区分についてのものです。以下の費用に加えて日本の代理人の費用が必要となります。)

  • 中国: 約1~3万円  約5日程度
  • 韓国: 約3~5万円  約5日程度
  • 台湾: 約3~5万円  約5日程度
  • 香港: 約7~15万円  約1~2週間
  • 米国: 約12~23万円 約1~2週間
  • 欧州: 約7~25万円 (1カ国ごと、国によって異なります。) 約1~3週間

2.事前の簡易検索

実際に現地の代理人に依頼する前に、日本から、各国のデータベースにアクセスして、簡単な検索を行うこともできます。

その国でデータベースが整っていることが必要であり、かつ、言語が理解できないと利用できません(多くの先進国では英語でデータベースを開示しています。)
以下に、各国のデータベースのアドレスを記載します。また、特許庁HPにおいても外国のデータベースの検索方法が紹介されています。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/kokusai/kokusai2/shohyo_syutugantaisaku.htm

また、外国産業財産権侵害対策等支援事業のHPにおいても「外国特許・商標等情報検索ミニガイド」として海外のデータベースの検索方法について毎年拡充しております。
http://iprsupport-jpo.go.jp/miniguide/miniguide.html

3.法制度の違い

外国で調査する場合には、法制度の違いにも注意する必要があります。

日本の商標法は登録主義(登録により商標権が発生する)ですが、英米法においては商標権は商標の使用により発生するとされています(使用主義)。そのような使用主義の法制度を持つ国においては、商標登録簿の調査のみでは調査は万全とはいえません。

使用主義の国においては、他人が使用している商標についての調査(コモンローサーチ)も必要です。もし他人が同一・類似の商標を先に使用していた場合、それによって商標権が発生しているとされることもあるからです。

4.その他

外国での調査にあたっては、状況によってさまざまな方法が考えられます。すべての国で一斉に詳細な調査をしてもよいのですが、それには費用がかかります。

まず、最初に上述の各国データベースで簡易検索をし、明らかに障害となる先行商標がないかどうかについて確認するのもお勧めです。あるいは、重要な国から調査を開始していくという方法も考えられます。

いずれにしても、海外での複数国にわたる商標調査は煩雑な作業になりますので、弁理士・弁護士といった専門家の助言を得ながら進めていくことをお勧めします。

本QAは特許庁委託事業「外国産業財産権侵害対策等支援事業」において作成されたものです。
事業内容、免責事項等は本事業サイト(http://www.iprsupport-jpo.go.jp/)をご確認下さい。