侵Q16

当社の登録商標と類似する商標がインターネット上で使用されています。インターネット上での商標権の侵害をやめさせるにはどのようにしたらよいでしょうか。

質問

当社は「家具」について商標「エリザベス」を登録し、商品の製造・販売をしております。

最近、インターネット上で他人が「ELIZABETH」という店名及びブランドで家具の販売をしている事実を発見しました。

インターネットは顧客への影響が大きく、当社の製品との間で出所の混同が生じると困るので、なんとか上記商標の使用を中止させたいと思います。

早急にインターネット上から商標「ELIZABETH」を削除させるために何をすべきか教えて下さい。

回答

1.相手方への警告

まず、相手方の所在地、社名等はインターネットの店舗上で確認できると思いますので、これに対して警告を行うことをお勧めします(警告のしかたについては侵Q14侵Q24参照)。

警告は通常書面で行います。また、以下に説明するプロバイダーへの申出をする可能性があることを考えますと、口頭ではなく書面で警告すべきであると思われます。

相手方が貴社の要求に応じてインターネット上の商標の削除をした場合、問題の箇所がすべて削除されたかを注意深く確認することも必要です。悪意はなくとも、削除を忘れてしまうこともよくあるからです。

2.プロバイダーへの削除の申出

もし、警告をしても相手方がインターネット上の商標の使用を中止しない場合には、プロバイダー等に当該情報の削除の申出をすることができます(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第3条)。プロバイダー等に対しては、問題のサイトにおいて貴社の商標権が侵害されていることを通知し、違法情報の削除を請求します。

プロバイダー等は、業界団体として対応の基準を定めています(註1)。また、企業によっては、独自の書式を作成し、それに記入したものを送付するよう要請されることもあります。

プロバイダーに情報削除請求をすると、プロバイダーは発信者に削除の申出があったことを連絡します。7日以内に発信者から反論がなく、かつ明らかに権利侵害があると認められる場合には、プロバイダーは情報の削除を行います。

なお、知財高裁2012年2月14日判決(平成22年(ネ)10076号)において、プロバイダーが出店者による商標権侵害の事実を知ったときから合理的期間内(たとえば8日程度)に侵害内容を削除した場合には、出店者と同様に差止及び損害賠償の責任を負わないものと解される旨判示されています(註4)。

3.ドメインネームの使用

侵害者が、インターネット上の店名及び家具のブランドとしてのみならず、ドメイン名としても「ELIZABETH」を例えば「elizabeth.jp」のように使用している場合には、必要があればこれについても検討することが必要かもしれません。たとえば、貴社の商標が需要者の間に周知であり、侵害者がドメイン名に「ELIZABETH」を使用することによって出所の混同が生じるというような場合です(註2)。そのような場合、.jpドメイン名の移転、取消に関する裁定申立を日本知的財産仲裁センターに申し立てることができます。(註3)。

4.その他

インターネット上での商標の使用は、需要者に認知されやすく影響が大きいので、侵害された場合には早期に対応することが必要です。

また、メタタグに商標を使用されたり、リンクされたりという問題もありますが、まだこの分野においては明確な結論が出ているとは言えない状況にありますので、問題が生じた場合には、専門家に相談されるのがよいと思います。

参考情報

本QAは特許庁委託事業「外国産業財産権侵害対策等支援事業」において作成されたものです。
事業内容、免責事項等は本事業サイト(http://www.iprsupport-jpo.go.jp/)をご確認下さい。