侵Q13

当社の商標が中国で第三者によって登録されていることがわかりました。どのように対応したらよいでしょう。このままでは中国で製品を販売することはできないのでしょうか。また、中国で製品製造はできますか。

質問

当社は、数年前から商標「RELFINO」及びそのロゴを食器の商標として日本で使用しています。

今般、当社商品を中国へ輸出する話があり、中国で商標調査をしたところ、食器について「RELFINO」が商標登録されていることがわかりました。

どのように対応したらよいでしょう。このままでは中国で製品を販売することはできないのでしょうか。中国での製造はどうですか。

回答

1.相手方商標の調査

相手方の商標がどのような経緯で登録されたのかを確認するために、相手方の商標の出願経緯、相手方の調査等をされることをお勧めします。中国での会社調査はおよそ10~20万円程度かかると思います(その会社の所在地によってもこの費用は大きく変わります)。

調査をする際には、相手方商標が使用されているかどうかについても確認すべきです。

2.第三者による登録を取り消す可能性

  • (1)不正登録取消裁定(審判)請求(商標法第41条)
    代理人によって不正に登録された、他人の馳名(ちめい)商標(中国では著名商標を「馳名商標」といいます)を無断で登録した、あるいは他人の先行する権利があるにもかかわらず登録された、代理人によって無断で出願されたというような要件を満たす場合には、その登録を取り消すよう商標評審委員会に裁定を請求することができます。
    しかし、この裁定を請求するためには、貴社の商標が馳名であるとか、あるいは第三者の出願前から中国において使用され、ある程度周知であるといったようなものである必要があります。本件の場合、貴社はまだ中国で商標を使用されていませんので、この裁定を請求することは難しいと思われます。
    なお、不正登録取消裁定請求にかかる現地代理人費用は、代理人によって差がありますが、約600米ドル~3,000米ドル程度です。
  • (2)不使用取消裁定(審判)請求(商標法第44条4号、実施条例第39条2号)
    相手方商標が3年間継続して使用されていない場合には、不使用取消を求める裁定を請求することができます。
    この裁定請求にかかる現地代理人費用は代理人によって差がありますが、約300米ドル~1,000米ドル程度です。

3.その他の方策

貴社が中国で「RELFINO」を使用するためには、上記のような審判を請求して相手方商標を取り消す他に、相手方の商標登録を譲り受ける、あるいは相手方から商標使用に関するライセンスを受けるというような方法もあります。

4.注意すべき点

上記のとおり、日本で使用している商標の使用を外国に拡大しようとするときに、第三者の商標登録の存在が障害となることはよくあります。もし、日本で使用している商標を将来的に外国でも使用する可能性がある場合、あるいは、商標を選ぶときから、外国でも使用する意思がある場合には、できるだけ早期に外国でも商標登録を取得することをお勧めします。

特に、日本で出願してから6ヶ月以内であれば、パリ条約に基づく優先権の利益を享受して外国で出願することができます。

念のため、中国、台湾で第三者によって貴社の他の商標が登録されていないかどうか確認されたほうがよいでしょう(中国、台湾の当局のデータベースでの検索の方法については特許庁ホームページを参照)(註1)。

また、中国で製品を製造するのみであっても、その製品を中国国外へ輸出する際に第三者の商標権侵害とみなされることがあります。中国国内でOEM生産した製品を中国国外へ輸出する場合、第三者の権利侵害と認定した判決と、権利侵害ではないと認定した判決が中国国内で併存しており、現在この問題については最高人民法院で検討中です(平成24年9月現在)。

よって、現状では、第三者が登録を所有しているならば、中国国外向けの製品であっても中国国内での生産もさしひかえたほうが賢明ではないかと思われます。

参考情報

本QAは特許庁委託事業「外国産業財産権侵害対策等支援事業」において作成されたものです。
事業内容等は本事業サイト(http://www.jpo.go.jp/index/kokusai_doukou/iprsupport/index.html)をご確認下さい。