侵Q12

当社が販売している製品の模倣品が中国で発見されました。どのように対応したらよいでしょうか。

質問

当社は、「OCLENOSIS」のブランドで、世界的に事務用家具の製造、販売をしています。製品を販売している世界数カ国では商標登録をしており、もちろん中国でも商標登録を所有しています。

ところが、最近、中国において商標「OCLENOSIS」を使用した事務用家具が第三者によって販売されていることを、当社代理店からの連絡で知りました。

この第三者の販売している製品は当社製品の模倣品であり、当社の商標権が侵害されていると思われます。この第三者の製品は当社製品とパッケージもそっくりですが、残念なことに当社は中国でこの製品のパッケージの意匠登録をしていません。

第三者の商標権侵害、パッケージデザインの模倣に対してどのように対応したらよいでしょうか。

回答

1.貴社の権利の確認及び相手方による商標使用状況の確認

まず、貴社の商標登録が適切に取得されているかどうかを確認してください。商標、指定商品、権利者名、更新されているかどうか、登録証があるか等について確認します。中国における登録商標の状況は、中国商標局のHP(http://sbj.saic.gov.cn/)からも確認することができます。

また、相手方商標がどのように使用されているか、また、相手方はどのような者であるかについて調査、確認します。

中国での会社調査にかかる費用は通常10万円から20万円程度となりますが、調査会社により、また、対象となる会社の所在地(都市部か地方か)によっても異なりますので事前に問い合わせることをお勧めします。

2.警告

相手方の商標の使用が貴社商標権の侵害であると思われる場合には、まず相手方に警告をすることが考えられます。相手方は先使用の抗弁等をすることも考えられますし、貴社の警告を受け入れないかもしれません。

しかし、警告することによって、相手方の商標の使用を中止できることもよくあります。

パッケージデザインの模倣については、市場において混同が生じると認められる場合には不正競争防止法に基づいて使用中止を申し入れることも可能かもしれません。

3.商標権侵害に対して採り得る措置

実際の法的手段として、以下のようなものがあります。それぞれ、一長一短がありますので、事例に応じて適切な手段を講じる必要があります。

どのような対応をするかは専門家とよく相談して決定してください。

  • (1)行政摘発
    工商行政管理局へ申立を行い、摘発を行います。現在もっとも頻繁に採用されている方法だと思われます。
    • 長所 迅速、手続が比較的簡便、現地代理人費用が民事訴訟と比較して安い。
    • 短所 罰金等の行政罰のみが科され、処罰は軽く、抑止効果はあまり強くないとされている。
  • (2)民事訴訟
    人民法院へ出訴します。
    • 長所 損害賠償、謝罪広告を請求できる。
    • 短所 時間がかかる、手続は煩雑、費用は高い。
  • (3)警察による摘発
    公安局が摘発を行います。権利者からの告訴に基づいて摘発が行われることはあまり多くありません。行政摘発をした事件中、悪質なものが移送されることがあります。
    商標は同一で、商品が同一・類似の範囲で侵害が行われた場合に登録商標冒用罪が適用されます。侵害が認められた場合、刑事罰が適用されます。

4.パッケージデザイン模倣に対して採り得る措置

上述のとおり、貴社製品が中国ですでに販売されており、貴社製品のパッケージデザインと侵害製品のパッケージデザインとが混同を生じると認定されれば、不正競争防止法(反不正当競争法)に基づいてそのパッケージデザインの使用を差し止めることが可能かもしれません。この差止命令は民事訴訟において請求できます。(侵Q28参照)

5.その他

貴社の商標権を侵害している製品が中国から他の国へ輸出されることを防ぐために、中国の税関(中国海関 http://english.customs.gov.cn/publish/portal191/)において輸出差止めをすることができます。輸出差止めを希望する場合には、中国の税関に税関登録を行い、かつ、税関に侵害品と真正品とを区別するための情報提供(いわゆる税関トレーニング)を行うことをお勧めします。

本QAは特許庁委託事業「外国産業財産権侵害対策等支援事業」において作成されたものです。
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