侵Q5

中国の企業が、精米機をまず一台買いたいと言ってきました。販売した精米機をコピーされるのではないかと不安です。中国でコピーを抑制できる有効な方法を教えてください。

質問

当社は、精米機の中堅メーカーです。この度、開発した新製品について新聞発表したところ、中国の企業から、まず一台を買って、性能が良ければさらに三十台程度は購入する予定であるとの申し出を受けています。

当社は、将来的には本格的な中国進出を考えています。今回の中国の企業の申し出をよく考えてみますと、まず一台買って、それをコピーするのではないかと恐れております。中国でコピーを抑制できる有効な方法を教えて下さい。

回答

1.権利の取得

  • (1)2001年、中国ではWTO加盟を果たしたことなどを契機として、知的財産権の保護を急速に強化しています。この観点からも、新製品に係る技術について、早急に、中国での特許出願、実用新案出願又は意匠出願を行なうことが重要です。権利の取得が、コピー防止のためにも最大の武器になることが期待できます(註1)。
  • (2)貴社は、将来的に本格的な中国進出を考えておられるのですから、この機会を契機に中国でのブランド(商標)の確立も重要な戦略となります。そのためには、中国での商標登録出願を行なうことが重要であります(註2)。

2.コピーの監視

  • (1)貴社は、自社製品については知的財産権で保護を図っていること、また、コピーに対しては断固たる法的措置を取っていることを新聞、雑誌などに発表することが、抑止効果の点で望ましいでしょう。
  • (2)新製品について、コピーが容易に可能な部分とノウハウが凝縮されコピーが困難な部分がある場合、今からでも遅くありませんから、ノウハウ部分について、外見から容易に判断できないように工夫する努力も必要です。
  • (3)中国での侵害品(模倣品等)の監視及び侵害品発見後の対策強化のために、次のような手法を取り得ます。
    1)現地の支社・駐在員事務所と本社との機動的な連携
    まず、社内的に知的財産に関する担当部署(担当者)を明確にしておくことは重要です。そして、海外の侵害品又は模倣品については、現地で採用した営業部隊が見つける場合が多いと言われています。たとえば、自社のマーケットにおいて販売されている品物、修理品としてアフターサービスセンターに持ち込まれた品物などが模倣品である場合や、顧客や消費者団体からの苦情が原因で模倣品が出回っていることを発見することが多いと言われております。また、商品の展示会において模倣品を発見することもあります。
    したがって、現地の営業部隊などからの情報が本社の担当部署に一元的に入る仕組みを構築しておくことが重要であります。そのためには、現地の営業担当者に対して十分な知的財産教育を行なうことも重要であります。
    2)現地の代理人(法律・特許事務所等)又は調査会社との連携
    自社の関係ルートのみでは、侵害品又は模倣品の発見が困難な場合やリスクを伴う場合があります。そのために、現地の代理人(法律・特許事務所)と連携をとりつつ、最適な手段で、侵害品又は模倣品の発見に努めることも必要であります。また、中国には、侵害品又は模倣品の発見を目的とした多くの調査会社も存在しますので、これを活用することも有効でしょう。ただし、調査会社には能力や信頼性に大きなバラツキがあるとされ、その選定にはリスク管理の点から慎重を期する必要があります。
    3)国際知的財産権保護フォーラム、各種業界団体、及び欧米企業等との連携を通じた現地国における知的財産保護に関する情報収集
    最近では、多くの業界団体内に知的財産部会が設けられ、業界共通の知的財産権問題の対応や海外での模倣品対策を行なっております。したがって、その業界団体を通して情報の収集や対策案を検討することも有効な方策です。
    4)中国における取締当局へのアプローチの強化
    中国において、侵害品又は模倣品の取締及び保護は、行政ルートと司法ルートによるものに大別されます。
    行政ルートとして、特許(発明専利)、実用新案(実用新型専利)又は意匠(外観設計専利)については知識産権局、商標・不正競争防止については工商行政管理局(AIC)、著作権については版権局、品質的誤認については質量技術監督局(TSB)、輸出入については税関登録があります。
参考情報
  • (註1)中国での模倣品対策について
    特許庁HP 国際動向>模倣品対策>模倣対策マニュアル
    http://www.jpo.go.jp/index/mohouhin.htm を参照
  • (註2)中国でのブランド(商標)の確立には、侵Q13を参照

本QAは特許庁委託事業「外国産業財産権侵害対策等支援事業」において作成されたものです。
事業内容等は本事業サイト(http://www.jpo.go.jp/index/kokusai_doukou/iprsupport/index.html)をご確認下さい。